RDPの基本設定を変更するだけでブルートフォース攻撃を遮断する方法

By PLURA

RDPは本当に開放すべき?

企業や機関が外部から内部システムへアクセスする必要がある場合、リモートデスクトッププロトコル(RDP)をファイアウォールで開放することがあります。しかしこれは攻撃者にとっても直接的な侵入口となり、特に以下のようなリスクが伴います。

rdp bruteforce protection


💥 外部攻撃者によるブルートフォース攻撃の試み

RDPポートが開放されている場合、外部攻撃者は次のような方法で侵入を試みます:

  • デフォルトポート(3389)への接続
  • Administratorなどの標準アカウント名でのログイン試行
  • 無作為なパスワードの組み合わせを連続で試行

このような攻撃は自動スクリプトを使って数分で数千回試行可能で、脆弱なパスワードや既知のアカウント名が存在する場合、実際に侵入に成功する可能性があります。


✅ 基本設定を変更するだけで防御可能

ブルートフォース攻撃はデフォルト設定に依存した攻撃です。そのため、以下のような単純な変更だけでも攻撃の成功率を劇的に下げることが可能です。

項目 セキュリティ強化対策
RDPのデフォルトポート変更 TCP 338923389, 33890 など他のポートに変更
標準アカウント名の変更 Administratoradminroot, rootadmin などに変更

これらの設定は攻撃者の自動スクリプトを無力化し、ログにも大量の失敗記録が残らないため、システムリソースの無駄遣いも防止できます。


🔧 設定方法の概要

1. RDPポートの変更方法

レジストリエディターを使用した変更方法

  1. regedit を実行
  2. 以下のパスへ移動:
    HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\WinStations\RDP-Tcp
  3. PortNumber の値を修正(例:23389
  4. ファイアウォールのインバウンドルールもあわせて変更

変更後は必ずシステムを再起動してください。


2. 標準アカウント名の変更方法

  1. コントロールパネル > 管理ツール > コンピューターの管理
  2. ローカルユーザーとグループ > ユーザー
  3. Administrator アカウントを右クリック > 名前の変更
  4. 新しいアカウント名を入力して保存

ただし、変更後も該当アカウントには強力なパスワードポリシーを適用する必要があります。


🔐 その他のセキュリティヒント

  • 特定のIPのみRDP接続を許可(ファイアウォール設定)
  • アカウントロックアウトポリシーを設定(例:5回失敗で5分間ロック)

📖 関連リンク


RDPは非常に強力なツールですが、デフォルトのまま使用すれば危険な扉にもなり得ます。
小さな設定変更一つで、大きなセキュリティリスクを事前に防いでみましょう。