脅迫型DDoS攻撃、ランサムDDoS(RansomDDoS)
概要
ランサムウェア(Ransomware)に続き、ランサムDDoS(Ransom DDoS)が猛威を振るっています。
ビットコインなどの金銭を支払わない場合、DDoS攻撃で企業のITインフラを麻痺させ、サービス運営に障害を引き起こすと脅迫する手口です。
カスペルスキーラボは「2017年第2四半期DDoSレポート」でランサムDDoSを主要トレンドに挙げています。
シスコも「2017年中間サイバーセキュリティレポート」で、脅迫型DDoS攻撃が世界的に増加していると発表しました。
DosおよびDDoS攻撃は、わずか数行のコマンドで対象サーバーに甚大な被害を与える非常に脅威的な攻撃です。
本記事では、DosとDDoSの概念、攻撃の種類、対応方法を詳しく説明します。
DosとDDoSの概念
Dos(Denial of Service)
- サービス拒否攻撃として、正常なサービスを遅延させたり麻痺させたりするハッキング攻撃です。
- 1台のPCが1つのサーバーを攻撃する1:1攻撃構造を持っています。
DDoS(Distributed Denial of Service)
- 分散型サービス拒否攻撃で、Dos攻撃の拡張形です。
- 複数のPCが1つのサーバーを攻撃するN:1攻撃構造を持っています。
- C&Cサーバーを通じて攻撃者がゾンビPCを遠隔操作し、特定システムに同時多発的なトラフィックを発生させます。
DDoS攻撃の種類
1. TCP Syn Flood
TCPの3-way handshakeプロセスを悪用して、サーバーの接続要求を超過させる攻撃です。
TCP 3-way handshake
- クライアントがサーバーにSYNパケットを送信します。
- サーバーはクライアントにSYN-ACKパケットで応答します。
- クライアントがサーバーにACKパケットを送信し、接続が完了します。
TCP Syn Flood攻撃
- 攻撃者は大量のSYNパケットを送信後、ACKパケットを送信しません。
- サーバーはHalf Open状態でACKパケットを待機し、Backlog Queueが満杯になると正常な接続を処理できなくなります。
2. UDP Flood
UDPの非接続性および非信頼性の特性を悪用して、大量のUDPパケットを送信し、サーバーリソースを消費させる攻撃です。
3. TearDrop
パケット再構成プロセスでoffset値を改ざんし、受信者がパケットを再構成できないようにする攻撃です。
4. ICMP Flood
代表的な攻撃: Smurf攻撃
- 攻撃者がvictimのIPを送信元としてICMP requestパケットをブロードキャストで送信。
- ネットワーク内の全ホストがvictimにICMP replyを送信し、大量のトラフィックが発生します。
5. Ping of Death
正常なサイズを超えるICMPパケットを送信し、パケット再構成時にサーバーリソースを過度に消費させる攻撃です。
6. HTTP Flood
大量のウェブページリクエストを送信し、ウェブサーバーを過負荷状態にする攻撃です。
7. Cache Control Attack
HTTPヘッダーのキャッシュオプションを改ざんして、ウェブサーバーに負荷をかける攻撃です。
- ‘no-store’: キャッシュにデータを保存せず、毎回サーバーにリクエストを送信。
- ‘must-revalidate’: キャッシュされたデータを毎回検証する設定。
PLURAでランサムDDoS攻撃に対応する方法
ランサムDDoS攻撃は、ネットワークやウェブアプリケーションに深刻な影響を与える可能性があります。PLURAは統合セキュリティプラットフォームとして、さまざまなランサムDDoS攻撃に効果的に対応するソリューションを提供します。
1. PLURA-WAFでウェブベースのDDoS攻撃を遮断
- PLURA-WAFはネットワークレベルでウェブアプリケーションに対するDDoS攻撃を一部遮断します。
- HTTP FloodやCache Control AttackなどのウェブDDoS攻撃を検出し、悪意のあるリクエストを遮断してアプリケーションの可用性を維持します。
2. PLURA-EDRでランサムウェアのインストールを検知・遮断
- PLURA-EDRはランサムウェアのインストールおよび実行を検知して遮断します。
- DDoS攻撃とともにランサムウェアを拡散しようとする試みを防止し、エンドポイントを安全に保護します。
3. PLURA-SIEMの相関分析で精密な対応
- PLURA-SIEMはさまざまなログとデータを統合し、相関分析を実施します。
- ネットワークやアプリケーションで発生する異常なトラフィックパターン、ランサムウェアの検出、攻撃試行を相関分析してリアルタイムの対応戦略を提案します。
- 分析結果を基に即時の防御措置を実行し、事後対応のための詳細なインサイトを提供します。
PLURAはWAF、EDR、SIEMの強力な統合ソリューションで、ランサムDDoS攻撃に効果的に対応し、企業のITインフラを安全に保護します。